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南区農園ガイドの会 設立趣旨

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南区の農業の状況と地元農業の課題

 札幌市は人口約200万人の大消費地です。その札幌市の中にありながら各種の要因により農家の高齢化と後継者不足、遊休農地の発生が続いています。新規就農者も一部の地区では行政の補助事業の効果もあり数件の誕生があったものの、南区全体ではまだまだ不足しています。
これらは、南区の農業の経営基盤がまだまだ脆弱な状況にあるがゆえの現象だと思います。近年は、自立した個々の農業者の努力により多様な農業が展開され、販売や経営形態も変化してきて活性化の方向に向かう流れは出てきています。しかし厳しい状況が続いているので、もう一歩広げた新しい流れを作って南区の地域農業の活性化の歩みを確かなものにしていきたいとの思いで「南区農園ガイドの会」の準備会を立ち上げることとなりました。
 南区の農業者の経営や販売形態は地元や地域の消費者に直接販売をするという比率が年を追って高くなってきています。この直売比率をさらに高めていき効率の良い経営にしていくには消費者になるべく生産現場に近いところに買い物に来ていただくという取り組みを強めていく必要があります。それと同時に農業への理解を深めていただく、リピーターや応援団になっていただくという取り組みも必要です。そのための一つの手段として、地域住民や農業応援者さらには農業者自身の手によって南区の農園を案内していく農園ガイド事業を選択することにしました。

新型コロナウイルス感染症と観光業の危機

 令和2年の年初から新型コロナウイルス感染症が猛威をふるっています。この影響を大きく受けているのは観光業と飲食業です。さらに農業をはじめほとんどの業界や生活現場が深刻な被害や影響を受けています。
 「農園ガイド」の事業は農業や観光、飲食、地元の人の手によるガイドの仕事というように地域や地元の仕事や生活にも広くつながる事業です。その意味で「農園ガイド」事業は地域活性化や「まちづくり」につながる要素を多く持っていると思っています。「南区農園ガイドの会」は南区の各業界の多くの皆様と「まちづくり」を視野に入れた取り組みとして事業を進めていきたいと考えています。
 大量生産、大量消費、経済のグローバル化と拡大し続ける経済成長が温暖化と気候変動、感染症の爆発のような自然環境の大変動を引き起こしているとの指摘もあります。いままでの生活や暮らしや仕事も含めて持続可能なバランスの取れた地域経済や生き方が必要になってくると思います。その意味で私たちは札幌市民を中心にしながら道内や国内の方達にも地域の農業や日本の農業を体験してもらい、地域農業や日本農業のよき理解者・パートナーになってもらいたいと思っています。その有効な方法として農園ガイドの事業を実践していこうと思っています。

むすびに

 人間は自然の一部であることを忘れてはいけません。人はすぐ身のまわりにきれいな空気と水がいつも存在していなければ一刻たりとも生きてはいけません。食料も水や空気と同じようにいつも私たちのまわりに存在していなければ生きていけません。しかし、この単純明快なことも多くの人は忘れています。「農園ガイド」の事業は農業をとおして私たちの生活や文化にも思いをめぐらせる機会にもしていきたいです。
南区農園ガイドの会」は以上に述べたような取り組みに意欲や志のある方達と運営の協議会を作って、地域の方たちの力を結集して事業を進めていきます。私たちの取り組みは小さな一歩から始まりますが、今後は大きく広げて地元の元気の一翼になっていきたいとの思いで歩みを続けていく決意です。

2021年4月9日 南区農園ガイドの会 代表 瀬戸修一

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